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引当金の割引額とその割戻し

重要な引当金の割引額の割戻し



財務諸表の翻訳ではいろいろな引当金があり、訳としては引き当ての内容によりallowanceやprovisionが多く使用されます。

国際財務報告基準International Financial Reporting Standards, IFRS)で将来の債務に対する備えとして引当金(provision)が計上されるとき、将来の金額を現在の評価額に換算する手続きとして割引(discount)が行われます。

そこで、負債に計上した将来の債務の引当金は翌年の財務諸表では期限が1年間縮まるので、割引額が相応して減ることになり、時の経過に伴う割引額の割戻しという話がでてきます。割引額は前出のとおりdiscountsで決まりと思いますが、割戻しはどうでしょうか。この場合時の経過した割合だけ割引額を戻すという意味だと思われます。

ところで、割戻金は、例えば売上割戻金の場合rebateとされることが多いようで、また、生命保険などの配当割戻金の場合もなぜかdividends rebateなどとされることが多いようなので、割戻金には総じてrebateを使用することが一般的のように思います。割り戻すという行為あるいは動詞ではrebateのほか、文脈により(partialまたはproportional) refund, return, reverse, unwindなどの意味で使用されていると思われます。

さて、話を戻して表題の「引当金provision)の割引額の割り戻し」の英語については、
割引額の割戻し = unwinding of the discount
が翻訳者としてはしっくりきます。
翻訳者としては、という意味は筆者は会計士ではないので、会計士としての職業的責任、法的責任を負って述べている用語ではありません。

ところでwind をun ではなく re にすると、rewindingという少し違った意味の単語になり、rewindingは昔カセトテープレコーダが全盛だったころ、テープの「巻き戻し」などによく使用されていました。従ってこの場合は巻きを戻すという意味での巻き戻すではなく、「再び」巻きなおすという意味での巻き戻しです。

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