FC2ブログ

ラブレターの翻訳

ラブレター翻訳

小さい子供のころから学校を卒業するころまでの間生活した国の言葉を母国語(mother tongue)などと呼び、母国語を話す人をネーティブ(native)などといいます。例えば私は日本語ネーティブです。

言葉は母国語以外の外国語、第2外国語と学び習得することができますが、一般的にいって、一番得意な言葉は圧倒的に母国語であるのが普通です。かなりの学習量を積んでも自分の母国語以外の言語(second language)は母国語ほどの運用力を備えることは至難の業といわれています。

そこで、2か国語のかなり流暢な知識を必要とする翻訳については、訳出する元の言語(source language)と訳出する先の言語(target language)のいずれを母国語とするのが有利か、という問題があります。つまり、例えば日本語ネーティブである私は、日本語から英語に翻訳する英訳をするのが効果的か、英語から日本語に翻訳をする和訳をするのが効果的か、という問題です。また、翻訳において、元の言語(source language)の正しい理解をするのがより重要であるか、先の言語(target language)を流暢な表現にするのがより重要であるか、という問題でもあります。もちろん、元の言語の正確な理解と先の言語の流暢な表現ともに重要であることに間違いはないのですが、現実的には上述のようにほとんど必ず一方の言語の方が他方の言語に比べて圧倒的に運用能力が高いという真理を受け入れた場合に、どちらを取るか、という2者択一の問題です。

翻訳一般でいうと、私は、理想的には元の言語(source language)に自分の得意な言語すなわち母国語を使用すべきと思います。というのは、翻訳は決して安い代物ではないので、翻訳をするほどの文書は非常に難解なことが普通です。母国語で読んでもしばしば理解ができないような文書を外国語で読めば、読み違いが起こる確率が非常に高くなります。読み違えて読んだ原稿を翻訳したものはもはやそれは翻訳ではなく、「作文」になります。実際のところ、世の中にはこうして生まれた誤訳があふれています。

source languageの理解不足のための翻訳の瑕疵が恐ろしいのは、翻訳者本人が瑕疵があることに気づいていないことにあります。

翻訳一般でいうと、と申しましたが、実は翻訳をする文書は千差万別で、ひとくくりにできません。文書により、原文の内容の情報を細大もらさず翻訳することが重要である文書と、逆に原文の内容と訳出された言語との情報の些細な整合性よりも、むしろ読みやすさの方が大切な書類もあります。

前置きが長くなりましたが、ラブレターの翻訳はどちらかといえば後者に入る部類の文書です。
もちろんラブレターを書いた人の気持ち、伝えたいこと、情熱、それらのことを十分に理解することは必要不可欠ですが、ラブレターの理解はそれほど難しい内容であることはあまりありません。ラブレターにはあまり難しいことを書かないところがいいという側面もありますので、人が読んでも理解できないような文章でラブレターを出す人はいないでしょう。

そういう訳で、ラブレターの翻訳はどちらかといえば「詩(poem)」の訳のようなものですので、訳出言語に精通した翻訳者が書いた方が効果的です。つまり英語のラブレターlove letter)を和訳する場合は日本語ネーティブの翻訳者が適していて、日本語のラブレターを英語に英訳する場合は英語ネーティブの翻訳者が適しています。翻訳する側の生産性という面から言っても、母国語を書くスピードの方が圧倒的に早いのが普通なので、この方向の翻訳の方がたくさんの分量翻訳ができ、翻訳者の収益性、生産性という面からも良好です。

仮に元の文章と少しはずれていたとしても、その翻訳がもっと気持ちが伝わるようなきれいなラブレターであれば、結果よし、ですよね。

永江
スポンサーサイト

テーマ : 翻訳 - ジャンル : ビジネス

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

translators

Author:translators
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
Google+